トリマー、ペットトリマー
あるウェブサイトでトリマーの年齢についてのアンケート集計したものがあって、それによると日本では、トリマーとして働いている方は20 から35ぐらいまで、そのあとは、この仕事やっている方の数が急激にへって五十代ではゼロ。その統計によると、わたしなどはとっくにトリマーとしての生命が終わっている歳なんですね。

このトリマーについての集計が正確な現実を表しているとは言えないとしてもちょっと興味深いです。

40 代、50代でコンピュータまったくだめな人もけっこう私の周りにいます。 またネットサーフィンしてそのウェブサイトにたどり着いて、アンケートに答える年配のトリマーの方がそれほどいなかったのかなとも思います。

あのトリマーについてのアンケートはトリマーの中でも、トリマーでありかつ、コンピュータもたしなむ、頭の古くないトリマーの人達のデータなのかもしれませんね。

それにしても、あれは半分ぐらいは当たっているところもある気がするのです。

今東京のペットサロンなど覗いてみても、30年ぐらい前になりますけど、私が東京で働いていたころも圧倒的にトリマーの仕事についている方は若い方が多かったのです。中年のトリマーというのはあまり見かけなかったです。
あのトリマーについての集計が正確なデータだと仮定して、これ見て私が思ったことは、

●二十歳ぐらいでトリマーとしてこの仕事に入って、長くてせいぜい十年ぐらいで、世間が見え出したころにこのトリマーのキャリアを離れる人が多いということはとてももったいないなぁということ。

少し肩を押してあげるだけで、ちょっと考え方を変えるだけでこの仕事で自活して行けるトリマーの方がこの中にけっこういるのではないかと思うからです。
●若いトリマーの方達の一般的な例を考えてみて、結婚までこの仕事をして、その後に専業主婦をめざしている人が多いとしても、昔ならともかくそれを許さない現実、さまざまな理由で家計を支えるために働かざるをえない方がほとんどと思うのです。

この人達はこのトリマーの職業を離れてからその後に、老年期に至るまで、まだ何十年と生きなければならない。この期間に再びこのトリマーの仕事に戻ることを考えなかったのかという疑問。
努力して獲得したこのキャリア、トリマーについたことの良さ、またはその後この仕事をやった経験を活かす方法を見つけることができなかったのかということ。(もっとましな仕事を見つけているのかもしれませんけど。)

●日本でこのトリマーというキャリアを一生続けるプロフェッションと考えている方がそれほど多くないということ。もしかしたらそうしたいけど、できないと思っている方が多い。

●北米でトリマーについて同じようなアンケートをとったら20歳ぐらいから、70歳ぐらいまでバラエティに富む年齢層がまんべんなくこの仕事についてる形になるのではという気がするのです。

グルーマーズ・アソシエーションの会合などに出ると、若い方ももちろんいますけれど、グルーマー/トリマーというのは年寄りじみた仕事なのかと思うぐらい年配の方が多いのです。長年このトリマーの仕事に携わる方が北米の方がだんぜん多いということ。結婚してもこの仕事を辞めないで続ける方が多い。この違いがどこからくるのか。
日本のトリマーに関するアンケートデータが示しているものは、トリマーの仕事独特のものではなくて、日本の女性の職業一般、つまりほとんどの女性のキャリアであの集計データと同じような形、その仕事に携わるのが20歳から35 歳までが主力という形が出てくる気がするのです。

女性にとって中年以降は仕事に関してはとてもハードな環境があると思います。

これは世の中を責めても、誰かのせいにしても仕方ありません。ハードな環境が目の前に現れても何かができる自分に変えていく準備を早い時期から、できたら今から始めておくにこしたことはありません。

これカナダではどうかというと、日本とたいして変わらないです。歳は関係ないです。自分を売れるスキル、能力をもっていないと、収入の面で満足のいく仕事にありつくことは、若くてもそうでなくてもとても難しいです。

そして、能力の要求度の低い仕事、つまり「だれでもできる仕事」はいつでもすぐ手に入るかというとそうでもない。年齢に関係なくやりたい人ややれる人がたくさんいますから、需要と供給の関係で、中年であってもなくても、それはそれなりにそのような仕事にありつくのは難しいという状況があると思うのです。これは日本でも変わらないはずです。

話題をトリマーのキャリアに戻します。
「トリマーの仕事を長年続けるには」というテーマが大き過ぎて、簡単に答えの出ることではないですけれど、私の言えることはこういうことです。

かなり年配の方でもこの仕事をやっている人がいるのですから、(北米ではありふれるほどたくさんいます)この仕事を一生お付き合いするキャリアと見なす。それは十分できることと見なす。そこから、仕事のやり方や働き方、技術を再検討してみる。今までの仕事のやり方に無理、無駄がなかったのか、より豊かになるために何ができるのかそういうことです。
皆がそうしているからとか、世間でこういわれているとかではなくて、長くこのトリマーの仕事を続けられる条件は何かを考えてみる。そのためにあなたに何ができるのか、この仕事を長年生かす方法を探ってみる価値はあると思います。模範にできるペットトリマーの例はいくらでもいますから。

トリマーというすてきなキャリアを十年ぐらいで辞めないためにも、このトリマーというキャリアが与えてくれるものを十分汲み尽くすためにも、この仕事に対する偏見から自由になってほしいです。

今まで出会ったペットグルーマーの人達を見ていると、この仕事を長年続けてやってきたから楽しく生きられた、と言える日が来る気がするのです。