わんちゃんのお手入れ

私はわんちゃんのお手入れをする仕事をしてます。

より正確に言うと、忙しくて時間のない飼い主さんの代わりに犬の手入れをやってあげる仕事ではなくて、飼い主がわんちゃんのお手入れをする時に困らないように、お手入れが家庭で楽にできるように、わんちゃんをスタイリングする仕事をしています。

 

カナダに来てから今まで、一万頭をこえる犬とその飼い主に接してきて分かったことは、愛犬家で手入れを家庭でこまめにやっている人はいないということです。

 

手入れのやり方が分らないとか自分でできないとか、ものぐさ(怠慢)ということではありません。生活上の他のことを大切に思い、わんちゃんの手入れにはあまり時間をかけない、と決めている人たちと言えるかもしれません。

 

私のお客様は愛犬家全体の中でも、とても犬を愛している部類に属する人たちだと思うのです。

 

家庭でわんちゃんの手入れをやってゆくということは犬を愛しているかどうかにかかわらず、それほど簡単なことではないのだなぁという感じを私はもっています。

 

こういう事情を知っていて、「家庭でわんちゃんのブラッシングは定期的に頻繁にやってあげましょう。一度やり方を覚えてしまえば、あとは簡単。習慣になるとコツも分かり、楽しくできるようになります」などとよく愛犬ブックに書かれていますけど、私はこれと同じことを皆さんに言えません。

 

手入れを家庭で定期的にやってゆく難しさというのは、ダイエットを続ける難しさになにか似てる気がします。

 

健康生活や長生きに節食・ダイエットが大切で必要なことは、皆さんだいたい分ってはいるのです。

 

しかし、口で言うは易く行うは難しです。ダイエットをやる意欲も知識も充分過ぎるほどあるのに、なかなかそこまで手がまわりにくいという難しさです。

 

わんちゃんのお手入れをしようとする時にかぎって、それよりもっと重要な・・そして今すぐやったほうがいい・・他の用事を思い出して、ついついわんちゃんのお手入れを後回しにしてしまう。まぁ、ほとんどの方はこういうパターンではないでしょうか。

 

実は、わが家の犬に関しては私もその一人です。

 

とは言っても、わんちゃんの毛は汚れてくるし、犬が不潔では一緒に住むものも不愉快です。わんゃんも不愉快です。病気やノミの心配もしなくてはならなくなってきます。

 

わんちゃんが汚れて困ることは、わが愛犬とは言ってもうとましくなりますし、家族みんなの愛情がうすれてきてしまうことではないでしょうか。

 

犬の手入れというのは時間をとられますし、ブラシをふるだけですまない面があります。手入れをするのがたいへんと感じている方に私がアドバイスできることは、・・・

お手入れ上手を目指すことも、こまめにお手入れする努力ももちろん必要なことです。

 

でも、それ以上に大切なことは

お手入れが楽にできる状態、お手入れが簡単に済む状態に わんちゃんをしておくことです

 

犬種や毛の状態によって手入れの仕方はすべて違うのですけれども、簡単に二種類、短毛種と長毛種について手入れをする上で、参考になるかもしれないと思うことを少し述べてみます。

 

短毛種シェバード、ハスキー、ウェルシュ・コーギー、ラブラドール、パート短毛のゴールデンレトリーバーなど飼っていらっしゃる方はわんちゃんの毛が抜け落ちて困っている方が多いのではないでしょうか。これらの犬種は毛が抜け落ちるとか、その特徴を指摘されることはありませんから、これらの犬種を紹介する本にはその対策まで書かれることはありません。

 

ですから、飼い主がそういう犬の性質とどうしたらうまく付き合ってゆけるかまで解説してくれるインフォメーションは非常に少ないです。

 

ほとんどの方は家の中で犬と生活する上でこうした問題があることを知らずに飼い始める方が多いのではないでしょうか。

 

短毛種のわんちゃんでも 定期的にペットサロンで抜け毛や アンダーコートを取る トリミングをしてもらうことで この問題はほとんど防げます。

 

日本ではこのサービスをしてくれるペットサロンがもしかしたらまだ少ないかもしれません。これができない場合は、こまめに掃除をする、強力な掃除機を使う、掃除が楽な環境で飼う以外にあまりいい方法はないのですけれど、私もお客様に頼まれてやっているうちに、その効果を知ったもう一つの方法を紹介します。

 

春から夏にかけての換毛期に短毛種でもバリカンでからだ全体の毛を短くすることです。皮膚が見えるほど短くする必要ありません。毛の長さはどんな好みの長さにでもできます。 

 

そうすると、夏涼しくすごせますし、むし暑い日の散歩も平気です。ノミがつきにくい、洗ってもすぐに乾くので管理が楽。皮膚が蒸れたりせず皮膚病にもなりにくい。そして、毛が落ちる量をかなり減らすことができます。

 

秋頃までは新しい毛が元通りに生えてきます。毛が生えそろってからも、からだ全体の毛は新しいですから、かなり長い間、春から冬にかけて抜け毛で悩まされることは少ないです。この方法で問題を避けられるわんちゃんはかなりいるはずです。(ゴールデンレトリーバーやハスキーその他の短毛種でも比較的毛の長い犬種)

 

夏の一時期涼しげな姿になること、人によりルックが気になる方もいるかもしれませんが、それ以外はわんちゃんにも快適ですし、家の中が汚れません。家の中で犬を飼っていっしょに生活する上で、抜け毛で困っておられる方は、一度ペットサロンでこれを試してみてはどうでしょうか。

 

プードル、シーツー、コッカースパニエルなどの長毛種は毛が伸びてきてます。ある程度の長さ以上になると、手入れが非常にめんどうになります。ほとんどの方は毛玉やもつれ毛を作ってしまうのではないでしょうか。いったん毛玉になってしまうとブラッシングも難しくなります。しかし、長毛種は毛が抜け落ちませんから、家の中が汚れる心配はありません。

 

こういう犬種はペットサロンで定期的に適当な毛の長さに短くしてもらうのが普通です。

 

これから長毛犬種のわんちゃんを飼いたいと思ってる方は、お手入れについて他の人がどうしているのか知りたいはずです。

 

私の仕事の説明にもなってしまいますが、ほとんどの長毛犬種は一ヶ月に一度ペットサロンで仕上げてもらうことで、家庭でわんちゃんを洗うことやブラッシングなどの手入れをする必要がほとんどなくなります。毛の長さも長く優美に保つことができますし、好みのスタイリングをわんちゃんにしてあげることができます。

 

しかし大部分の方は5、6週間に一度ペットサロンに出される方が多いようです。毛を短かめにペットクリップすることで、毛がもつれることもありませんから、

 

「家庭でブラッシングなどの めんどうな手入れは ほとんどいりません。」

 

家庭では必要最低限のお手入れですみます。長毛種のわんちゃんを飼うことはけっして面倒ではありません。住まいをいつも清潔に保てるなど、ある意味で短毛種よりも楽です。

 

その上に自分でこまめにわんちゃんをブラッシングしてあげられる方はこの期間をより長くできると思います。

 

毛の長さによって 手入れがどれだけ必要かが違ってきますから、いろいろ試されてまずは、自分で手入れするのが 苦痛にならない毛の長さを知ることが大切です。

 

毛を短かめにカットしても、かわいらしくまた、それほど手入れも必要としないスタイリングはたくさんありますので、ペットサロンの方と相談してみてはいかがでしょうか。

 

犬と生活することの 愉快とは言えない面について書いてしまいましたが、それでも手入れが大変で、こりたから犬はもうゴメンなどといわれる方は聞いたことがありません。

 

犬と生活することから受ける恩恵や喜びにくらべれば、犬のお手入れやその他のお世話する苦労などは取るに足りないものではないかと思います。

 

私のお客様をみても、わんちゃんが亡くなってから、驚くほどすぐにまた新しい犬を飼いはじめる方がほとんどなのです。

 

犬と生活することの楽しさを一度味わったら、もう犬のいない生活は考えられないのです。わんちゃんと生活することはそれほど魅力的で喜びを与えてくれて、生活を楽しくしてくれるものなのです。わんちゃんがいたらと思ってる方、迷わず今すぐ飼うことをおすすめいたします。