トリマーの悩みや苦労、刺激的で興味をそそられるそんな話題に、つい目がゆきやすいですね。でもこの仕事に携わる方でも忙しすぎて、この仕事をする喜びとかうれしい面について、意識して話題にする機会はあまりないのではないでしょうか。

 

この仕事の喜びや幸福について何も知らない、考えてみたこともない、そんなことがあるなど信じていないよりは、たまには考えてみた方が、毎日仕事場で出会うほんの小さな喜びや今ある喜びに気づいてあげて、親しみを感じていた方がより大きな喜びや幸福につながってゆく気がします。

トリマーの喜び、トリマーの生き甲斐、トリマーの幸福、これらは、お互いに重なり合った部分があって、かなり似てますね。

 

トリマーの喜びには、仕事中わんちゃんがほほえんでくれるといったような、かわいらしい喜びから、トリマーの皆さんがよく言われる一仕事が終わって飼い主さんにありがとうと言われた時の喜びとか確かにあります。

私の場合は、もう若くないですけど、いままで現役でこの仕事をやってこれたことやこれからもしばらくは続けられそうなこと。退屈とはまったく縁のない仕事 -- そう思える仕事をキャリアとしてやってこれたことは大きな喜びですね。

 

トリマーの喜びには小さい喜びから大きい喜びまでいろいろあると思うのですけど、その中から特別に三つだけ選んで、ここでは書きたいと思います。

 

トリマーの仕事についてしまえば、なんとなく、この仕事の喜びが自然と感じられるようになれるのではないかと思うこと、また、この仕事はもともとすごく楽しい仕事で、ついてしまったらあとは楽しさ・喜びに満ちた生活が待っている・・・と思うのは、すべての人がそうなれている訳ではありませんから、期待はずれになりやすいように思います。

 

この仕事そのものにはあなたをハッピーにしてくれたり、喜びを与えてくれたり、生き甲斐を与えてくれる力はありません。

日々の仕事を通して、トリマーの仕事を生き甲斐のあるものにする。また、すごく楽しい仕事に自ら作ってゆくもんです----- ということを「トリマーの生き甲斐についてで書きました。

 

トリマーの喜びも、トリマーになれてこの仕事についた喜びというのも確かにあります。でも、トリマーであることのより深い喜びは、日々この仕事を通して自分で育ててきた喜びのような気がするのです。心から感じるしみじみとした喜びというのはその人の、この仕事との関わり方から生まれるような気がします。

 

例えば、子供ができること、親になれることはだれにとっても至福と感じる人生上の大きな喜びです。でもそれから長い時間をかけて息子や娘が巣立ってゆくでまで手塩にかけて育てる。時には思い通りにいかないことがあっても、その時自分にできる精一杯のことをして子育てしてゆく喜びというのも確かにあります。そしてこの方が親にとっては、時間とエネルギーと愛情を注いだだけに、より深い喜びであるように思うのです。苦労することもたくさんありますけど、それも含めて大きな喜びですね。たぶん。

      

ですから、トリマーになったら、あんな喜びもあるし、こんな喜びもある、トリマーになったらたくさんたくさん喜びがあるという話はここではしません。

 

どんな立場にいるにしろ、この仕事を続けるかぎりついて来てくれる喜びですから、ちょっと自覚してこれらをより深めてほしいし、あなたがペットトリマーであり続ける理由に加えてほしいし、そうした「トリマーの三つの喜び」についてここでは書きたいです。

 

どんな仕事でも心から喜びと感じられるものがあった方が、長続きしやすいように思います。それよりは、もしかしたらこれがトリマーのキャリアをうまくやってゆける一番の秘訣かもしれません。

 

心から感じる喜びというのは、「キャー、楽しい」と感じる喜びももちろんですけど、この仕事はそんなことばかりの連続でもありません。けっこうきついこともあるし、いろいろな悩みを抱えたお客様に適切に応対したり、また頭を抱える問題が仕事で起きることもあります。

 

でも、全体として私のサービスを気にいってくれて、ひいきにしてくれる、頼りにしてくれているお客様がある程度いる。そしてこの仕事を通して人様のお役に立てていること。「うちのわんちゃんよろしく」とお客様に頼まれているのです。私の仕事に期待してくれるこういう方々がいるかぎり退屈している時間はありません。

 

またお金の面だけではありませんけど、自分の努力が少しは報われていると感じられること。そしてこの仕事を続けてゆけること。心から感じる喜びとは、「キャー、楽しい」よりもこういう静かな充足感みたいなものではないでしょうか。

 

トリマーの喜びや幸福と感じることは多々ありますから、ここに述べる以外にも大切なことはたくさんあります。でもひとまずここに述べるトリマーの三つの喜びが感じられたら、他の面は収まるところに収まって、トリマーになれてよかったという思いが、つまりトリマーであることの喜びが、多くの方は感じるようになれる気がします。

 

その三つのトリマーの喜びとは、