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トリマーの仕事は本当にいい仕事なのか

 

トリマーをめざす人というのは、まぁ犬が好きで、自分の犬といっしょにいると幸福感が心にひろがって、楽しいし、きっと犬に携わる仕事ができたら、仕事が楽しめて、そしてやりがいもあるのでは、などと考えたと思うのです。

 この仕事は、素直でない犬も来ますけれど、そういう難しい犬は全体からしたらほんの一握りです。ほとんどの犬は(90%ぐらいは)仕事していてほんとうに愉快な犬達です。パピー(子犬)もたくさんやってきますし、いっしょに遊びたい気持ちになる犬がほとんどです。

 ですから最初に私が想像していたように、この仕事は私にとっては朝から晩まで楽しい仕事です。毎朝仕事場に出かけるのが待ちどうしいぐらいです。私と一緒に働いている者も私と同じように感じているようです。

 この仕事のいい点あげるとしたら、他にも書き散らしていますから、一般的なメリットはそちらを読んでいただくとして、今回は特に他の仕事と比較して、この仕事について良いと私が個人的に思う点を上げてみます。私の知る職業というのはそんなに多くないですけれど。体験から話します。

 私がトリマーになる前にした仕事が二つありまして、その一つは、デパートで呉服のセールスしてました。精神的にきつい仕事でした。いつも上役に見られながらの仕事でしたし、厳しく売り上げのノルマを課せられるし、業績で自分に対する評価が毎月ABCDランクで突きつけられるのです。また一番下の者でも売り場全体の連帯責任をとらされる。大きな組織の一員として働くよさもあったのですけど、自分の努力で何かができるそういう職場には思えませんでした。学校出て初めての職場でしたから、それなりに学ぶことも多かったですけれど、事情で他の方向に進むことにしました。

それから、美容院の受け付けとして働いたことがあります。今でもカリスマ美容師などにあこがれて美容師になりたい人がたくさんいるようですけれど、美容師はとても大変な仕事です。まず、お客様のご機嫌をうかがいながら仕事しなければなりません。

困ったお客様でもいつも愛想よくふるまわなければ仕事になりません。私の勤めた美容室のお客様は夜間勤務の女性が多くて、そういう仕事のストレスを抱えた方が多かったです。あのころのことを考えると、違う分野に目が向けられて、あれはあれで意味のある体験だったと思っています。

わたしが体験したのは、この二つですけれど、それに比べてこのトリマーの仕事はこんな仕事があっていいものかと思えるほど快適に働ける、やっていて楽しい、報われる仕事ですね。

あくまでも私の個人的体験から話しますけれど、この仕事は上記のようなストレスがないのです。お客様から朝に犬を受け取るとき少し話すだけですし、お客様の顔色うかがいながら仕事するとか、お客様に合わせて心にもないことを言ったりしなくてすみますし、あと犬を返すときお金をいただくだけですから、あくまでも自然に振る舞えるのです。

犬が一刻も早く帰りたがりますから、世間話などしたいと思っても、その時間がなかなか取れないのです。仕事中はわんちゃんを相手にすればいいですから、ストレスとはまったく関係のない世界です。仕事に没頭できますし楽しいです。

それから、自分で仕事を始めてからは、トリミングの仕事以外はしたことがありません。生体の販売とか、犬のホテルもやりません。そのようなことにトリミングする貴重な時間をわずらわされたくありません。

そういう他のサービスを同時にできたり、商品を扱えるのも、他の仕事ではできない、このトリミングの仕事の独特のよさ、利点ではありますけれど、トリミングだけでも十分食べられますし、小規模でやるのならば、トリミング専業が一番効率がいいですから、これが北米では普通なのです。

日本にいる頃から、自分で始めてからですけど一日8時間以上も働いたことはありません。週二日も必ず休みを取ってきましたし、冬のやや暇になる時期は休暇も毎年とってますし、これ以上この仕事に望むことはないですね。

 この仕事の良さはまず、効率よく働ける、長時間働かなくてもそこそこの収入をつくれるということではないでしょうか。北米ではこの仕事専門でやっているところが多く、ペット・サロンにとってはタイム・イズ・マネー、貴重なリソースなのです。当然、時間あたりの生産性を上げる研究や道具を使って時間短縮する技術の研究がかなり進んでいます。

それに、今どき8時間ぐらいで終わる仕事というのは、他にそんなにないと思いませんか。板前ですと仕込みとか材料の買い出しなどで朝早くから夜遅くまで働いているのがふつうですし、美容室でもお客様に合わせて仕事しなければお客様が十分集まりませんから、夜遅くまで開けているところが多い。家族で夕げを囲むなどというのも難しいのではないですか。

それから、このトリミングの仕事は場所を選ばない。自宅の一角でも仕事できます。しかし、美容師とか、板前とか、指圧でもいいのですけれど、こういう人間相手の職業は自宅でやるのは難しいです。お客様を集めるのにある程度カッコウつけないといけないところがあります。ちゃんとした場所を借りてやらないと、お客様を集めるのもたいへんですし、始めるのに資金も相当に必要です。こういう仕事での自営や開業も大きな資金を出してくれる人が後ろにいないと難しいのではないですか。

しかしトリミングはそんな心配は無用です。体裁だけのために無駄なお金を使う必要がありません。場所を選ばず、細々とでも地道に自分の仕事を育てることができます。考えてみたら、こんなに恵まれた仕事というのも他にあまりないのではないでしょうか。

それから、自宅でも仕事ができるということはとてもいいことだと思いませんか。パートで主婦の片手間でやるとしても、一日一匹しかお客様がいないとしてもどこか勤めるよりはましな収入つくれますし、私も長いこと住まい兼仕事場でトリミングをしてきました。

通勤しなくていいし、子供あやしながらでも自宅でのんびり仕事していられるというのは、女性にとっては願ってもないことです。こういう仕事は他にありふれるほどあるものではありません。これは勤めに出ている女性の方にうらやましがられる点ですね。

そして歳をとっても、境遇が変わっても、職を失うことを心配せずやってゆける仕事をもつことは、心強いことですし、いくつになっても気分よく働けて、夢の持てるすてきなことだと思うのです。そうできなくて悩んでいる方が多いのですから、これだけでも私は神に感謝したい気持ちです。

勤めている人には、望める恩恵ではありませんので、こういう話はちょっと酷かもしれませんが、この仕事を自分でパートの仕事としてやるとしても、税金を合法的に収めないで、いろいろ経費として計上できる方法があるのです。この業界でこれを口にする人少ないと思いますけれど知っておくべきです。これ実はすごいことなのです。この文のテーマからはずれますから、詳しくはまたいつか別の機会にしたいと思います。

一例をあげると、先日GROOM BOATというイベントに参加してきてました。こういう経費は仕事の研修ですから、家族を引き連れて行っても全部ビジネスの経費としておりるのです。

GROOM BOATというのは、豪華客船でカリブ海など常夏の地方を訪れ、船旅を楽しみながら、この業界で著名な人を呼んで洋上でグルーミングの研究会をするものです。

息抜きができて、何かこういうデラックスな気分に浸れる楽しみがあるとがぜん仕事に力が入りますし、新しい情報を仕入れたり、北米の他の同業者とお話できるので、前からこれにとても参加してみたかったのです。

これに参加している方はほとんどアメリカ人ですけれど、何百人も来ているのです。毎年このクルーズ・ツアーに参加している人とか、社員全員引き連れて慰安旅行気分で参加しているペットサロンもありましたから、羽振りのいいペットサロンが多いということなのかもしれません。

こういう楽しい息抜きがあると、また頑張って仕事やろうという気になりますね。

年一度これぐらいのバケーションをとっているトリマーの方は日本でもたくさんいると思います。この仕事がもし好ましからぬ仕事だとしたら、こんなことは考えられないことという気がしませんか。

ブリーダーやペットのホテル、動物のお医者さんなどの他のペット関連の仕事でもしかるべき場所も必要ですし、どれも資金が相当必要ですし、たいへんな仕事です、それに比べてもトリマーの仕事はそんなに資本が必要ありません。また、お客様にはっきり分る形で仕事の成果を示すことができますし、たいした金額でもありませんから気軽にお客様にチャージできます。

トリマーは他のペットの仕事に比べてもお客様と親しくオープンにお話できる仕事ですし、お客様も気さくに話かけてきます。お客様に信頼されやすい、ペットに関してはもっとも頼りにされる職業ではないでしょうか。

またお客様になってくれる犬もたくさんいますから、好きなだけお客様を増やせますし、やり方次第ではまぁ悪くない仕事と言えるどころか、ワンダフルな仕事にできると思いませんか。

それとも、これ以上にすてきな仕事をあなたはなにか思いつきますか?