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あなたにとってトリマーとはどんな仕事ですか-1 

 

少し前ですけれど、インダストリアル・デザイナーの方とお話する機会がありました。

その時に話していたことは、自分で考え出したものが人々の生活を便利にする、生活を豊かにして喜んでもらえるというのは、とてもいいことだと信じて今まで仕事してきたけど、最近そんな風に思えなくなったというのです。

考えたアイデアが製品になって、それが人々に使い古され、やがてはごみの山になり、環境を汚している。そして地球の生態系を壊すことにつがっている。

今までやってきたことは、結局は人の幸福には結びつかないことをしてきたのかと時々思うことがある。そんなことを言っておられたのです。

それで、その方がペットグルーミングとはどんな仕事なのかと尋ねるともなく言われたのです。

ありきたりの答えではなくて、トリマーの仕事の周りに対する関わりや意味みたいなものを尋ねられたと思うのです。

こういうことは考えたこともなかったことです。しかし何かひとこと言わなければならなくて、その時とっさに私の口から出たことがこういうことでした。

「ペットグルーミングというのは、環境をきれいにする仕事です。そして地球を前よりもほんの少し住みよくし、周りのみんなの笑顔をつくりだすことだし、生きているって楽しいと思える世界つくることです。そして
そういう環境を自分の子供や子孫に伝えてゆく仕事ではないかと思います。

そのためにたくさんの人がいろいろな仕事をしているけれど、トリマーである私の場合は犬を一匹ずつ洗い、ドライヤーにあてて乾かし、わんちゃんきれいにすることで、それやってゆこうとしているのです」 そんなこと言った気がするのです。

今でも私それを信じています。

トリマーという仕事は地味な仕事です。
重傷をおった動物を救うとか、盲人の目となり手足となる盲導犬を訓練するようなドラマチックな仕事でもありません。街角のパン屋さんや八百屋さんと同じく人の注目を集めることもあまりありません。

しかし、トリマーの仕事というのは、大地に染み入る水のように目に見えにくいけれど、確実に浸透していく。犬だけではなくて、周りの人々の心に働きかけて、この地をきれいにし、ほんの少し住みよくする仕事のように思えるのです。

そして、一般の方やその相棒であるごく普通のペットを相手にしたトリミングのような、あまり目立たない仕事の方が意外とそうできる力というか影響力をもっている気がするのです。
 
考えてもごらんなさい。ペットトリマーの仕事がこの世からなくなったら、きれいなかわいらしいわんちゃんも目にすることはないし、第一に飼えない。犬を飼う人も随分少なくなるし、家の中で家族でいっしょに住む犬もいなくなる。犬をだっこすることも犬を見てほほえむこともない ----- そんな社会。それだけでも殺伐とした味気ない、住みにくい世の中になっているように思いませんか。そうならないように、もう少し暖かみのある社会にするためにトリマーの皆さん微力ながら貢献しているのです。この影響力は小さくないです。

普通の人ではできないことをたいへんな努力をして成し遂げるというのも、たしかに素敵で立派です。でも、目立たないありふれた努力で、自分に楽にできることで、
毎日毎日繰り返し繰り返しやってゆく中で、あなたの周りや世界の片隅をほんの少し明るくする、きれいにする。これはけっしてつまらない、どうでもいい仕事ではないと思うのです。

少なくとも、地球がもう少し住みよくなってほしいと願って努力している人達の助けになれることだし、そう願いたいしそうであってほしいですね。

一匹づつわんちゃんがきれいになってうれしそうに帰っていくと、ちょっぴり地球にいいことしてあげたような、あったかい気持ちに私はなるのですけれど、あなたにとってトリマーとはどんな仕事ですか。