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トリマーに手入れを頼むということ-1

 

私、ジャイアント・プードルとミニチュアプードルの二頭プードルを飼っています。プードルは大好きなのですけど、自分の犬の手入れはなかなかやる気にならないものですね。手入れを何十年とやっていても、いやなものはいやです。なぜいやなのか屁理屈はいくらでも思いつきます。

犬と生活することは楽しいですけれど、手入れをやらなくてもよかったら今の三倍ぐらい犬との生活が楽しくなりますよね、きっと。

プードルを愛していると自ら周りに言いふらし、手入れのプロにもかかわらず、こんな情けない感じなのですから、ほとんどのわんちゃんの飼い主にとっては、自分の犬を手入れするというのは、それが家庭での手入れだとしても、私以上に重荷に感じているのではないかという気がするのです。

それから、犬の専門家でどなたも一般愛犬家にこのことを言う人がいない気がするのですけれど、ブリードの本でもお手入れブックにもいっさい説明されたものを見たことがないです。

それはトリミングには道具や設備がいると言うことです。それと後始末も含めてかかる時間ですね。

たいした道具がなくてもできるといえばできると言えるかもしれませんが、それでは、プロがやるのとは違って、途方もなく長い時間かかって、かなりのエネルギーも必要とし、それからほんの少しばかり継続する意志が要求されますとはだれも言いませんね。その方の書いた本を買っていただくだけで、だれでも簡単にできてしまうように書かれています。

そしてトリマーの仕事についてまで述べてくれるブリーダーの方はあまり多くない気がするのです。

ペットサロンを利用しなさいとはっきり一般の方に話し、その上で家庭でのお手入れについて説明してくれるブリーダーの方はたいへん良心的なブリーダーなのだと思います。

トリマーの仕事というのは、確かに技術職ではありますけれど、トリマーに必要なものを考えた場合、技術は半分、後の半分は一般の愛犬家が持っていない設備や道具類をふんだんに使っているから、早くきれいな仕事ができて、お金がとれると思いませんか。

ですから、こういう最新の道具類や設備を仕事場にもってやっているから、本職はなんとかやれているのに、それも持たずに犬の手入れをすること、たとえそれが家庭でできるブラッシングでも洗うのでも、本職の何倍も苦労することにはなると思うのです。

例えて言えば、電動のこぎりをもたない大工の見習いが、手でギコギコしながら家を建てるようなものだと思うのです。

「あぁ犬の手入れはたいへん、楽じゃない」と一般の愛犬家の方が思う気持ちを私はよく理解できるのです。

ペット・トリミングというのは、一般愛犬家の持つこうした問題を解決してあげる、とても期待されているサービスだと私は思っているのですけれどね。

しかしながら日本では違うんですね。またお客様のもつ問題なんて当たり前すぎて十分解っていることだから、だれも口に出さないだけなのでしょうか。このことを指摘した日本のトリミングについての記事などは目にすることがなかった気がします。

トリミングの大先輩でもこれとはまったく異なる方向でトリミングについて話される方が多いですし、お客様の問題を無視したものをすすめる方も多い気がするのです。
ペットトリミングは日本ではテーマになりにくいことなのかもしれませんね。

でも、愛犬家がわんちゃんの手入れについてどう感じているのかを分っているのと、そうでないのとではトリマーの仕事にそれがすぐに現れるように思いませんか。

仕事を見れば、お客様はトリマーが何を考えているのかすぐ感づいてしまいます。ほんとに私のこと考えてくれているのかしら、なんて疑問をいだかれるのでは、いくら腕がよくてもお客様に嫌われてしまいます。

このことは、どんなスタイリングを選択し、お客様にすすめるかにも、自分の仕事をどういう方向にもってゆくかにも、この仕事全部に関わってくることのような気がするのです。

一般愛犬家にとって手入れというのは、きついと思っている方が多い、そのことを意識するだけで、よりお客様の希望にかなったスタイリングがすすめられたり、あなたの仕事のやり方も少し変わってくるかもしれませんね。