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トリマーの腕、センスについて

 

トリマーの腕がいいことや仕事のセンスについて、どう思いますか。

 私が日本で勤めたペットショップは東京では老舗の中の老舗で、都内に何軒もお店をもっているペットショップでした。しかし、私のトリマーの友人達は、あそこはひどい仕事をするところだと皆悪口をいうようなお店でした。

うれしくなるような給料が出てくるところではなかったので、トリマーの出入りが激しかったです、つまり新人の多いお店ということですけれど、こなしきれないぐらい仕事があって、ビジネスはすごく良かったのです。

ですから、ビジネスで人を引きつけて、満足して毎回犬をこのペットサロンに出すお客様がたくさんいるということは、トリマーの腕にほれてひいきにするとか、トリマーがいい仕事をするからペットサロンがはやるのではないのだとその時思いましたね。

お店がはやるというのは、学校出たばかりの新米トリマーでも十分できることなのだとその時思いました。今でもそのショップは繁盛してますから、腕がいいとは言えない新人さんをたくさん雇って仕事をやらせて、昔と変わらず悪くないビジネスをしていると思います。

これはショップが大きいことや、一人で仕事しているとしても、トリマーの皆さんが話題にするほど、腕のうまさやセンスの良さと成功とは関係ないことではないか、という気がするのです。

私今住んでいるトロントでも、私ほどしっかりした仕事しているショップは、などと思いたくなる時があります。しかし、それほど立派な仕事しなくてもはやっているペットサロンはたくさんあります。

一般のお客から見て明らかに下手っぴと分るような仕事では話にならないですけど、この仕事で何年も食べていても仕事で失敗するはことはあります。しかし、一般のお客様が見てすぐ分るような失敗というのはプロはほとんどしません。

だいたい何年もこの仕事やっていて、いい仕事することはプロにとって当たり前のことです、その上に、もっといい仕事をしようと毎日考えている人にしか分らないような、いい仕事の価値基準が、ただ犬を飼って楽しんでいる愛犬家や、毛玉だらけで自分の犬の面倒も満足にできない飼い主に理解できると思いますか。

もし、いい仕事と感じるものが一般愛犬家にあるとしたら、それは、この仕事のプロとはまったく違った視点で見ている気がしませんか。

少なくとも、このトリマーさんに仕事をやってもらいたいとその気にさせるものは、仕事のうまさ(プロの考える)だけではないはずです。

人当たりがよくて、あの人に頼みやすいとか、すごく私のわんちゃんのこと気にかけてくれるとか、そこそこの仕事してくれて気軽に持ってゆきやすいトリマーに私なら自分の犬を頼む気がしますね。感動するようなスバラシイ仕事などしてくれなくても。

日本ではトリミングの話になるとなんでもかんでも技術のうまい下手に話をもってゆきたがる方が少なくない気がします。

店が流行らない、お客に好かれないのも、給料が安くて昇進できないのも技術が未熟だから、しっかりした指導者についてもっとセンスをみがきなさいとか、もっと上の資格をとって技術向上を計り云々とか、プロは絶え間なく技術を磨いていないといけないような話を聞いていたら、自信なくならない方がおかしいです。

腕のうまさとかセンスを磨くというのは、人に教わるものではない気がするのです。この子かわいくしてやろうとか、みすほらしい姿でやってきた老犬でも、自信を持って飼い主に会えるようにしてあげるからね。そんな気持ちで仕事していたら、ほとんどの方はうまくなる気がします。

また、ショートリミングしている人が言うのとは意味が違いますけれど、細部まで手を抜かない人。限られた時間内で仕事をしなけれけばなりませんから、力を入れる場とそうでないところはペットトリミングではとても大切です。その上でお客様が「これどうやってカットしたのかしら、普通の人ではこんな風にきれいにできない」って不思議がるような仕事を最低しなければ、プロとしてお金はもらいにくいです。

そういう仕事をするのに時間を使い過ぎたりせず、しっかりその日にやるべき仕事をこなし、ショップ・オーナーにもお金を作ってあげられる人、こういうトリマーが腕のいいトリマー、センスのあるトリマーと呼ばれるのではないですか。

日本ではあらゆる犠牲を払って、プロはいい仕事しなくちゃだめみたいな、強迫観念をもって毛一本もみださないように、また必要以上に時間をかけて仕事してる人もいるようです。 もっと大切なことを忘れて、こういうことをあおる困った人もいますけれど、自分の目で、自分の感覚でいい仕事を判断する自分の基準を持ってもいいのでないですか。お客様に喜んでもらうということが一番大切なことですから。

毎日しっかり仕事していたら、仕事のセンスについて悩む必要はありません。

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