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トリマーのための実践英語学習法

 

聞くところによるとカナダ・トロントには、いつも七千人ぐらいの日本の若い方が英会話スクールに学びにきているようです。

北米の主要な都市が皆おなじ状態だとしたら、留学生の数はすごいものになります。海外で英語を学ぶということはとてもホットな流行で、もうめずらしいことではないのですね。

海外に出ると、英語を学ぶ機会は英会話スクールだけではありませんから、いろいろな場所で人々とお話する機会があったり、多くの人と知りあったり、親しい友人ができたり、外の国の異なる生活・習慣や考え方に触れたり、外国に暮らしてみるということは単なる旅行ではできない体験ですし、さまざまな発見があり得られるものもたくさんあると思います。

語学留学で来られる方が多いようですけれど、英会話スクールに通って英語がうまくなる方もたくさんいると思います。その一方で、期待するほど上達しなかったという人も少なからずいるのではないでしょうか。

私もカナダに来た頃、移住者のための ESLのクラス--ナイトスクールに通ったことがあります。無料ですからぜいたく言えないでけれど、レッスンのよしあしというよりも、言葉の学習は自分の関心や目的から外れると少しつらいものがありますね。

どうしたら英語が上達するのかは私では分りませんが、英会話スクールにこれは期待できないのではと思うことをいくつか上げてみます。

日本人が少ない海外の英会話スクールに留学すると、英語がうまくなるのでは、と思う人が多いかもしれません。

留学雑誌の英会話スクールの広告をみると、必ず日本人の生徒数が全体の何パーセントを占めるのか示してあり、つまり当英会話スクールにはいかに日本人が少ないか --「日本人なんかほとんどいない」という点をアピールしているところが多いですね。

しかし、本当に英語のできる人は日本人が周りにいても、いなくても関係なくうまくなっています。英語を学ぶことは、基本的には自分自身でコツコツしなければならない作業ですし、他人や環境に影響されることはあまりないように思います。(英語でコミュニケートできる機会はスクールだけでなくて、他にもたくさんありますから、外の国に暮らしてみる効果は大きいと思います。)

また、日本で英語を勉強されてきた方もいる一方で、そうでなくて会話スクールに留学するだけですぐ英語が上達することを期待していたり、海外で学習意欲が出てくることを期待しても、言葉の学習はそれなりに時間のかかるものと思っていた方が間違いない気がします。すてきな出会いがあり、すぐに上達する方もいることはいるようです。

海外の英会話スクールに行くと、英語を話す白人がたくさんいるのではと思うのは間違いです。英語のまだ不得手な非北米人が集まるところが英会話スクールなのですから、英語がまだ慣れていない、上手とはいえない人と共に英会話の練習をしなければならないところが普通です。 (不得手同士で気楽に話せる楽しさももちろんありますけど。)

そういう環境では、授業で自分で積極的に発言できて、先生が間違いを指摘してくれないかぎりは、自分の間違いに気づくこともないし、訂正してくれる人やそうしてもらえるチャンスがたくさんあるとは言えないと思います。

下手でも気にせず、積極的に英語で発言できたらとは思っても、その必要がないとなかなかそういう気持ちにならないものですね。英語に囲まれていても、知らない人に積極的にアプローチして、会話しようとする意志が一番大切なことかもしれません。

それから、英語学習の専門家が指摘していることですけれど、目的を持って英語を学びなさいとよく書いてますね。

しかし、はっきりした目的のない方、つまりどうして英語を学びたいのか、また学んだ英語をどう使いたいのかはっきり分っていない方は、英語を学ばずにおれない強いやる気を起こしてくれる目的が、どうしたら持てるのか知りたいのではないですか。

一番大事なことですけれど、これは英会話スクールに期待できることではありません。

あまり問題点についてばかり述べても、意欲がなくなってしまいますから、話せるようになるは何ができるかについて私の知っていることから書きます。

トリマーに向けて書いてますから、目的は北米のペットサロンで働くということにします。

このコラムを読んでいる方でなぜ英語を学びたいのか理由が分らなくて悩んでいる方は少ないはずです。

教養として英語を学びたいとかテストのためにと考えている方には私ではお役に立てません。他の方法を考えてみてください。

私のグルーミングクラス(日本人には通常日本語でレッスン)の話ですけれど、日本から来られた方に、希望者にはトロント市内にあるカナダ人のグルーミングサロンでインターンとして研修させています。

英会話スクールなどとはまったく違って、グルーミングサロンはカナダ人が普通に英語を話している環境です。もちろん日本人のトリマーなどいません。

英語学習で失敗する一番の原因は英語を学習する目的をはっきりさせていなかった、または、さしあたっての学習目標を絞っていなかったということではないでしょうか。

日常会話だけでなくあれもこれもやりたい、 タイムズ が読めるようになりたいとか、toefl,toeicテストで何点とりたいとか、ネイティブに間違えられるぐらい美しい発音ができるようになりたいとか、膨大な知識に一度に手を出しすぎて、この分野ならば会話できる、大丈夫という自分の得意を見出せず、結局成果が上がらず、自信を失いギブアップしてしまう方が多いように思うのです。

インターンの準備として英語のレッスンも私のクラスでしています。

英語の学習というのはいくらやってもキリがありませんから、まずはペットサロンの仕事場で必要な実用英語を学んで習熟するということを目標にしています。

毎日親しんでいる、よく知っているグルーミングの仕事についての英語を学んでいます。インターンに入る目標がせまってますから、皆さん真剣に取り組みますし、覚えるのが早いです。

やり方は前のページで述べたのと同じ方法でしています。

グルーミングサロンの仕事場で使われる言い回し、指示されること。答え方、質問のし方、電話の受け答え、接客などの場を想定してつくった問題集を使っています。それにそってトリマーとして仕事に使う必要のある英語だけを幾度もドリルする練習をさせています。

この方法で悪くない結果が出ています。インターンされた方は職場で言葉で困ることはそれほどないようです。

英語のレッスンは日本語も英語も話すカナダ人が教えていますけれど、インストラクターが日本語も通じるということはとてもいいことだと思うのです。

こちらの英会話スクールの英語だけしか話さない英語の先生では、先生に思うように質問できないで困っている方が多いはずです。

不自由な英語では単純なことしか英語で質問できませんし、聞き取る力がまだ不十分な生徒に必要以上に英語で詳しく説明することはないような気がします。

カナダに来た頃に私が通った ESLで先生の英語による説明で、理解できないことがたくさんありました。しつこく尋ねても、こちらの期待するような説明の仕方をしてくれないこともありました。

ですから、すべてが英語環境の状態では、ネイティブの英語に慣れる利点ももちろんあると思いますが、それよりも、解らない英語がいつまでたっても解らないまま、時間が過ぎてゆく気がするのです。

こちらの日本語も解る先生の場合は、日本人の考え方や違いを分って、その上にこちらの人の考え方に精通してますから、聞き手の心理まで踏み込んで、より深いレベルで英語が学べる面もあるのではないでしょうか。

どういうことかと言うと、例としてグルーミングサロンに職を探して面接に行くことを考えてみます。

面接で自己紹介するわけですけれど、最後に「あなたを雇いましょう」とサロン・オーナーに言ってもらわないことには、いくらきれいな発音ができて、素晴らしい英語で自己紹介しても、ほれぼれする会話ができても、まったく役に立たないのです。

ためしにカットしてみせる以外に、自己紹介で何をどう言ったらトリマーとして好印象を与えられるのか、何を基準に相手は雇おうとしているのか、自分を雇う価値ありと見てもらえるには何ができるのか。インタビュー(面接)は自分を売り込む一種の説得ですから、相手の関心や考え方まで察して話さないとと「あなたを雇いましょう」にならないかもしれないのです。

ですから、英会話の難しさというのは、本当に役立てようとすると単に言葉の問題ではすまなくなることなのです。

まずは、最初からそんな先のことまで考えないで、私の採用した学習法を気楽な気持ちで、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

英会話スクールに通ってみるのもいいことと思います。目的にそったものであればなおいいでけれど。どんなところからでも学ぶことはできます。

私の薦める方法は、正しい英語に訂正してくれる人がいたら申し分ないですけれど、海外に出なくてもできる。ひとりでもできないことはない。自分で考えられる範囲で、自分の興味のある分野から練習できる。

また、さしあたって必要のないことをしないというのがポイントの学習法ですから、たくさん時間を使って効果が上がらなくて、英語を学ぶこと自体がいやになるそんなふうにはならないと思います。

 

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