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北米のトリマーにはこんな仕事もある。(スカンク犬)

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最近スカンクにやられた犬を洗う注文が多いんです。日本にはいない動物なので、日本でトリマーの仕事するなら知らなくていいことです。しかし好奇心旺盛なトリマーの方のために紹介します。

 犬がスカンクにやられることは、こちらではよくあることで、獣医さんのところでもスカンク犬専用のシャンプーは常備してあるところが多いです。

 スカンクといったら、臭いオナラをする動物なんて思っている方が多いのではないでしょうか。実際はそんな生半可なものではありません。臭いは強烈で付いたら、なかなかとれません。スカンクにやられた犬は苦しくてもがいたり、地面にうずくまってしまいます。目を攻撃されることが多いのでやられると歩くこともできません。

 スカンクの生態についてまでは詳しく私は知らないのですけれど、南米、中米、北米に広く分布する。猫ぐらいの小動物。雑食性で昆虫、トカゲその他の小動物、魚、果物、その他の植物などを食す。夜行性。

のそのそ歩く。天敵がいないのでこわいものなしです。追い払っても一目散に逃げるなどということはありません。とてもかわいらしい動物ですが、行動はかなりふてぶてしいです。しかし、近づくにはやはり勇気がいりますね。

 スカンクにやられた犬を今までかなりやりましたけど、どの犬にも共通していることはほとんど顔面をやられているということです。

 実は私の犬(ジャイアント・プードル)も去年スカンクを追いかけて、反撃に会いたいへんな目にあいました。

こちらでは、スカンクにスプレーされたという言い方しますけど、かけられる液体はぺとべとの黄色いオイル状のもので、犬の顔面が黄色に染まるぐらいですからかなり大量です。スプレーというよりも、大きな水鉄砲で液体をかけられた感じですね。(液体は発射すると10フィートほど飛ぶそうです)

 不思議なのは、小さい犬でも、シェバードやラブラドールなどの大型犬でも正確に顔をねらって攻撃してくるということです。相手が近づいてくるかなり早いスピード。方向、高さ、距離、タイミングなどちゃんと計算して、どんな相手なのか、またどこを攻撃するかはっきり分ってしているようです。そしてねらった的を外すことはありません。

 肛門線かそのようなものがあり、そこから液体がブュッと出てくるわけです。スカンクは大きな動物ではありませんから、自分の体の何倍もある大型犬の目の周りをねらうとしたら、かなり高い位置から発射しないと、目の周りをねらうのは難しいです。

 液体を発射するときは前脚で逆立ちし、やや高い位置からねらっているようです。(複数の人にこれは聞きました。)

顔の向きとお尻の向きは逆方向でどうして正確にねらえるのか、これでナゾは解けました。

 しかし、同時に逃げることも考えなければならないし、スピードのある大きな犬の場合に、逆立ちしてまでもこんなことができるのか考えれば考えるほど不思議に思えてきますね。とにかく非常に興味深いミステリアスな動物です。

 相手を噛み殺したり、毒蛇のように毒を注入するわけではありません。身を守る時だけ反撃し平和的な手段で相手を困らせる、なかなか感心な動物ではあります。

 でも、トリマーとしては感心ばかりしていられません。スカンクにやられた犬を洗う仕事はトリマーにとってもたいへんな仕事です。

 今までトマトジュースやマウスウォッシュ、スカンク専用シャンプーや民間療法(オキシフルとぺーキングソーダを使う方法)など世間で効果ありと言われるものはなんでも試してみましたけど、これは非常に効くというものはありませんね。

 アルコール系のものやブリーチの入ったものは効くのですけど、目の周りですから顔面には使えません。毛をできるだけ短くクリップすること。何度もシャンプーすること。あと、時間が解決してくれることをひたすら待つしかありません。

 こういう犬をやると、ショップの中までしばらく(何日も)匂いがぬけません。また、犬を洗うだけで匂いが衣服にしみついて、家に帰って着替えても匂いがぷんぷんします。スカンクにやられた犬は半年ぐらいしてもスカンクの匂いが体から完全に抜けることはありません。

 犬と一緒に住む飼い主にもとんだ災難で同情するのですけれど、このような仕事をとると、他のトリマーの皆さんに非常に不評です。こういう仕事が入るとどうしようか考えてしまいます。

ホームグルーミング・テップ「スカンク犬の洗い方とそのコツ」をそのうちにホームページにのせようか考えています。トリマーの使う方法だけ提供して、犬の飼い主にやってもらうことを考えた方がいいかなーなどと考えてしまいます。デメリットを考えると難しいです。

 

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