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トリマートレーニング・メソッド 私の方法

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 自慢話をさせていただいて、よろしいでしょうか。

Ontario Dog Groomers Association というこの仕事に携わるトリマーの親睦会みたいなものがあります。カナダでは一番規模の大きいトリマーのアソシエーションです。私の教え子がそのアソシエーション主催のトリミング競技会で二等になりました。

表彰される時、審査員に言われたことが、「とても残念でした。あなたの使った犬が良くなかったです。(老犬で毛が十分なかった)でも技術ではあなたの方が一位の方よりも上ですよ。」と言われたというのです。
 
トリミングの技術に関しては私の教え子が一位と認められたということです。

私がぴっくりしたのは、何年もこのトリマーの仕事をしているプロ、見ただけ本職と分かるような風格がそなわってるトリマーの人達を差し置いて、いかにもハイスクールを出ました、という感じの女の子にこういうことを言ったことです。

こんなことが日本のトリミング競技会で起きたことがあるのでしょうか。

この審査員の人たちはさすが偉いと思いましたね。競技する人達にいっさい偏見を持たず、仕事だけを見て素直にうまいとなかなか認められることではありません。長年この仕事をしていたら、なおさらそうです。

歳や格好はトリマーの仕事のうまさと何の関係もないことです。

風格がそなわってるかどうかとか、どこそこの学校に行ったからとか、だれのもとで習ったからとかも、いい仕事ができることとあまり関係あることではないように思います。

トリミングスクールで何年習ったとか、この道何十年やっているかとか、経験の長さとトリマーの仕事のうまさもたいして関係ないようです。長年この仕事をやっていても、古くなるほどうまくなるわけではありません。 

この生徒の方は、高校出てすぐカナダに来ましたから、トリミング経験はまったくなくて、半年ぐらい私からレッスンを受け、その後トロント市内のペットサロンでインターンとして働いて4か月目ぐらいで競技に参加しました。

教え子がコンテストで受賞したということは正直とてもうれしかったです。ついこの前まで、ハサミも満足に握れなかった者がここまで変れるということは、正直すごいと思ってしまいます。

コンテストで受賞したことで、その生徒の腕が本職のトリマーの目から見ても、いい仕事をすると認められるまでになったということ。

もう一つ、トリマーとして仕事をこなせる能力も一人前と言えるまでにこの短い期間で育てることができたことです。
技術に関してはただうまいだけでなくて、これでご飯が食べられるまでになったということです。

スタンダード・プードルなどの大型犬は一日二頭はカットできますし、小さい犬種シーツー、マルチーズ、ビションそれからテリア類などでもお客様の好みに合わせて四、五頭できるまでになりました。もちろん8時間以下の労働でです。

まずこんな話は日本のトリマーの方には、にわかには信じがたいことと思います。
ただ、この方だけでなく何人もこれぐらいの腕になった生徒が今までいましたから、私が言えることはお客様にうまいと言われるぐらいの腕は半年ぐらいレッスン受けても十分になれると言うことです。 (集中して仕上げまでやる練習を毎日すればですけれど。)

彼女の才能が特別に恵まれていたからではありません。
また、インストラクターとしての私の腕がいいからでもありません。

私がしてやれたことは機会を与えてやれたこと。そして考えながら仕事することを教えただけです。あと学校出たばかりでは、日本では簡単ではありませんが、ペットサロンで仕事を全部任せてやらせてくれたことではないでしょうか。

仕事場では考えている暇などないぐらい忙しいです。でもそうやって犬をたくさんやらせられるとお客様にもうまいと褒められる機会がたくさんありますし、自信がつくのです。自信がつくと仕事が楽しくなりますし、もっとうまくなろうとするものなのです。

ですからトリミングの世界で、下積みの仕事が一人前にできてからじょじょにという日本独特の制度とか、一人前のトリマーになるには勤めてから年期がかかるとか、いい先生の指導の元でセンスを磨かないと、という説とは体験から異なる意見を持っています。

本人の自覚によるところも大きいと思いますけれど、一通りできるようになったら、一人前のトリマーとして扱われ、仕事を任される機会があること、またある程度頭数をこなせば、ほとんどの方はうまくなれるものではないかと私は思います。

北米のペットグルーマーはこうやって一人前になっていくのが普通ですし、これは特に変ったことをするトリマー・トレーニング・メソッドでもないのです。

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[追記]
○この方は日本のペットスタイリストマガジン「ハッピートリマー」(ペットライフ社刊)でも紹介されました。

○この生徒の腕がいいので、私が彼女をトリマーのコンテストに出場させた訳ではありません。ペットショップで仕事している時に、お客様と世間話をしていてグルーミング・コンテストの話が出たようです。

そしてお客様にそんなコンテストがあるなら、あなたぜひ出場しなさいと強く勧められて、自信がないにもかかわらず、急にコンテスト出ることになってしまったのです。犬もその客様から借りたようです。

トリマーのコンテスト当日は私は養老院に行ってまして、見てあげることもできませんでした。

この方はグルーミング・コンテストで受賞したからだけではありませんが、カナダ社会に溶け込んで働くしっかりした日本の若者みたいな感じで、カナダ日系新聞で一面フルに使って紹介されました。

ワーキングホリディでカナダに来ている日本の若い方で、カナダ人の元で働いている人は非常に少ないです。とても珍しいケースです。

半年ほどしか働いていませんけど、ショップオーナーのトリマーの方に「彼女にはぜひまた戻って来て欲しい」と言われるまでに腕を上げ、また信頼されるようになったことは、まだ若いのに、トリマーとしては新米であるにもかかわらずたいしたものです。

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