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トリマーの喜び-2
他の人の役に立つ仕事、他の幸せに繋がる仕事をしている喜び

 

これ意外に思う人が多いのではないでしょうか。そのようなことはトリマー資格の試験にも出ることはありません。スクールでは犬学とか衛生学などの難しい講義はあっても、こういうテーマで話されるのをあまり聞いたことないと思います。自分のためにひたすら技術向上をめざしているのに、他の人の喜びだとか、他人の幸せだのと、そんなの関係ないと思いませんでしたか。


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image courtesy of Maya

でも、これはトリマーの喜びその1にもトリマーの喜びその3にも深く関係してくる大切なことのように思うのです。

多くの方はトリマー資格をとることや、腕を磨いて技術向上をはかること、ハサミの腕が自慢できるようになりたいとか、そういった目標を掲げて腕を磨き、人に認められる努力をしているのではないでしょうか。それで何も悪くありませんけど、それだけでは、どんなものでしょうか。
いつまでたっても技術向上にこだわる人は意識が自己に集中している人たちのように見えないか少し気になります。いつまでもこういう話題や関心が中心ではトリマーの喜びを語るどころでなくなってきます。
プロのペットトリマーというのは、これはとまったく違う関心を持っている人たちです。少なくとも自分の能力をより活かすことや他の人の力なることにエネルギーを注いでいる人達のような気がします。毎日の仕事が多くの人のお役に立ち感謝されているから、やがてはそれが収入にも結びつくのです。

とにかく、人間は社会的な生き物ですし、どんな理由であっても、だれかに必要とされたい、お役に立ちたい、周りに愛されたい、という気持ちはだれにもある強い欲求です。これがこの仕事で満たされないとしたら、いつか無意味と感じて虚しい気持ちになるか、そのうち仕事を変えようとという気持ちになるかもしれません。

トリマーの仕事はサービス業ですから、犬とあなたの関係だけでなくお客様や、勤めている場合は雇い主やスタッフなど、他の多くの人たちがいて成り立つ仕事です。何が自分に求められているのか、どうにかしてこの人たちのお役に立ちたいと思う心の余裕を持っていたほうが、周りに必要とされ愛されるトリマーになれる気がします。腕を磨いて技術向上をめざすことと、他の人の力になれることや、信頼されること、愛されることは直接は関係のないことです。

余談になりますけど、ちょっと自慢話をさせてください。自慢の予告編です。
私は当地でペットトリマーをして三十年近くになりますけど、この仕事を始めた頃から私のお客様になってくれて、それからずっと今まできてくれている方がいるのです。一頭が亡くなって新しい犬を飼い、そうやってもう何頭もこのお客様の犬を今までお世話してきました。

最初来た当時、そのお客さんには、おしゃぶりくわえた小さい女の子と、お母さんといつもいっしょに私のショップに来ていた男の子がいました。今ではその子達がりっぱな大人になって、結婚して家庭を持ち、犬を飼い始めて、私のところに犬を連れて来てくださるのです。うれしいですね。こういう二世代目のお客様が何人かいます。

もしかしたら、私がおばあさんになってもこの仕事を続けられたら、この人たちの子供、最初のお客さんの孫達ですけど。その人たちが私のお客さんになってくれるのではないかと、今からとても楽しみにしているのです。

親子三代にわたってお客様にひいきにしてもらえることは、若者にはまねのできないことですし、そうなれたら古いトリマーとして大いに自慢させてください。でもこれは、狭い地域の町内の皆さんを相手にしてきたから。あいも変わらず長い間この仕事をやってこれたからです。

わたし子供には親切にする主義です。この仕事を見てうらやましい、かっこいいと見られたいです。そして大人になることに希望を持ってほしいです。それ以上に、おばあさんになっても私この仕事を楽しんでいたいし、ラッキーでいたいですから、次の世代のお客様になってくれる人達にも親切でありたいと願っています。