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トリマーの喜び 1
自分の好きなことを仕事にできた喜び

 

「わたし自分の好きなことを仕事にしているんです」などと周りに話したら皮肉に聞こえるほど、こういう人はありふれるほど多くはいないのではないでしょうか。
でも、あまり好きでもないこと、楽しいと思わないことを仕事にして心から喜び・幸福感を日々感じることは不可能ではないにしろ、かなりのチャレンジです。

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image courtesy of NinJa999


「今している仕事いかがですか」という質問をすると、ほとんどの方は、「まぁ、悪くないわね。まあまあの給料をもらっているし文句は言えない。好き嫌いというよりも、とにかく請求書は払わなきゃいけないし、生活していかなければならないし、でも、週末は彼氏とデートして食事をしたり、映画に行ったり、カラオケでみんなでわいわい騒いだりできるし、まぁそれなりに楽しこともありますよ」 などとしばらく考えてから言う方が多いのではないでしょうか。

でも、この人たちの話す「悪くない幸福」というのは、週7日あるうちの週末一日か二日の幸福なんですね。週末二日楽しい、つまり週二日幸福であれば、わたしは幸福ということです。まぁそれで悪いことはないです。

でも、週7日のうち7日全部楽しくて、それで生活できたらその方がいいに決まっています。毎日そこそこに楽しい仕事があり、日々充実しているほうが、週二日幸福な人より深い喜び・幸福・生き甲斐を感じやすいはずです。

そのためには、興味が持てる、やっていて楽しい、夢中になれる、やる価値を見いだせる、生命力を奪われるような仕事ではなくて元気になれる、そう思える仕事 ----- つまりはやる気になれる仕事ですけど、そういう仕事を見つけること、選ぶことはとても大切です。(好きでもない仕事を仕方なくしているのでは、朝起きるのもつらいと思うこともあるかもしれません)

人により感じ方が違いますから、皆がこう感じるかは分かりませんが、わたしにとってはペットトリマーの仕事がこういうやる気になれる仕事でしたし、今でもそういう仕事です。
でも、この仕事を最初からそう感じていた訳ではありません、時間をかけてそういう仕事にしてきた気がします。

私が生まれ育ったところは愛玩犬どころか、周りには番犬ぐらいしかいない、犬は外でつないで飼うものというが常識の田舎でしたし、美しいペット犬を見たのは東京に出てからです。自分の犬として初めて飼った犬は、驚くなかれ、トリマーの仕事を始めてしばらくしてからです。

私はトリマーを志すころから大の愛犬家でもなかったし、過去にたくさんの犬を飼う経験があったわけでもありません。子供のころ、私の母がどこからか拾って来た雑種の、野良犬の世話をしたぐらいの犬の経験しかもっていません。

私が言いたいのは、犬が嫌いではなかったけど、この仕事に志願したころからクレージーなほど犬大好き人間ではなかったということです。また犬は持っていませんでしたから愛犬家でもありませんでした。この仕事に最初から強い憧れや、情熱をもってこの仕事についた訳ではないということです。自分に合うキャリアを模索していた時代でしたし、ちょっと興味があってこれはどうかしらと思って入ってみた世界です。

こういう人でもトリマーになれる資格はあるし、トリマーの仕事を楽しんでやれる仕事にできる、そしてうまくやってゆける可能性は十分あるということです。過去に犬に触れた経験がたくさんなくても、現在、犬やこの仕事にとても興味があるなら、このキャリアについて調べてみるべきです。また楽しんでこの仕事している人達やうまくやれている人の話を聞いてみてください。犬を持っていない人でもこの仕事を大好きになることは充分ありえることです。

かえってさめた目でこの仕事を見れるほうが、現実的な側面から目をそらさないし、どんなことがあってもこの仕事を仕事として黙々とやってゆけるし、この仕事のもつ素晴らしさ、魅力を後で感じるようになれるかもしれません。私がそうでしたから。

もちろん、犬が大好きでトリマーを志す人も、適性は間違いなくありますし、この仕事をより好きになりやすいです。犬が大好きな方や扱いなれている人はレッスンでやるかなり複雑なことでも、感が働きますし飲み込みが早いです。もっと難しいことに挑戦しようとするし、心に余裕がありますから周りに気配りができたり、他の人ともいい関係を築いてゆける方が多いです。こういうことでこの仕事に適していると言えるのではないでしょうか。

好きなことを仕事にするということはいずれにせよ努力を伴うことです。

この仕事をやってゆきたいと心から思えることや、自分がこの仕事に向いているかどうかは、ある程度経験を積んでこの仕事に打ち込んで見えてくるものです。ですから、好きなことを仕事にするということは、ただ憧れていた仕事につくことではありません。時間をかけてそうなるもの、「これでやってゆきたい」と自分の意思で自分のために決めること、他の可能性を捨ててたった一つ
選ぶこと、これに賭けることです。

うまくゆなかいのではとか失敗するのではという不安、時には自信を失ったり新しい自分に気づいたり発見したり、そういう体験を幾度も経て、皆さんそういう気持ちになれるものです。ですから、「好きなことを仕事にする」ということはけっして単純なことではありません。

でも、多くの時間とエネルギーをこの仕事に注いでいるわけですから、毎日やっても、いつまでやっても飽きない楽しい仕事にしてほしいです。そうしようと思えばきっとできます。それには、目の前のどんな仕事でも夢中になってやれるようになることですし、うまくやれた体験をたくさん持つことではないでしょうか。そして特技、熟練の域になるまで諦めないことです。

「私自分の好きなこと、やりたいことを仕事にしたのです」と言えるようになってほしいです。トリマーの喜びを感じるかどうかはこうなれるかにかかっているのではないでしょうか。