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トリマーのやりがい、生きがいについて

 

「トリマーの仕事はやり甲斐や生き甲斐のある仕事です」というフレーズはよく目につきます。

私もたいして深く考えもせず前にそう書きました。トリマーとは関係のない仕事をしてる方のようなのに、この仕事を解説してこういうことを言う方も結構います。でも、そう言うのは間違いではないですけど、100%正しくもない気がします。

トリマーになってこの仕事についてしまえば、この仕事が私にやりがいや生き甲斐を与えてくれる。そしてこの仕事が楽しいものになる ------- それほど単純なものではないようです。

「トリマーの仕事はやり甲斐のある仕事です。この仕事をうまくやれるようになれたら」というのがより正しい言い方です。たぶん。
 
何かがやりがいを与えてくれることを期待したり、どこかに生き甲斐を探し求めても、ただそれだけでは期待はずれに終わるように思います。
 
トリミングの仕事があなたにやりがいを与えてくれるのでありません。この仕事をうまくやってゆけるようになる中で、喜びのあるやりがいのあるキャリアに自ら作り上げるのです。
 
あなたがこの仕事をそこそこにうまくやれるようになれたら長く続けられるし、やりがいのある、「この仕事ができてうれしい」と心から思える、楽しいキャリアにできる気がします。

「仕事をうまくやれる」ことと「仕事を楽しんでやれる」こととは同じことのような気もします。

このトリマーの仕事を「うまくやれない」ことは、どういうことかすぐイメージできると思うのですけど、「この仕事をうまくやれる」ことは、人により意見が異なるし、イメージとしては分るけど、個人的なことですから人に説明するとなると難しいです。これは、その人なりのさまざまな意見があっていいことですね。

成功とまでゆかなくても、せめて心で普通にやれているという感じが持てたら、また、仕事が終わって一息ついて、心に広がる充実感がもてたら、「あなたはこの仕事をうまくやれている」と言っていいのではないでしょうか。

「トリマーの仕事をうまくやれるようになる」ことで必要なことはたくさんある中で、私ならゆずりたくない二つの条件があります。

1)楽に仕事ができるようになれること。きついなどと思わず仕事ができること (毎日やってゆく仕事ですから)

2)生活を支える収入を得られること、(パートの場合はそれ相応の)

キャリアとしてなら、この二つの条件が少なくとも満たされないと、この仕事が楽しくもないし、この仕事がうまくやれている感じも持てないし、やりがいや生き甲斐なども感じることが難しくなるように思うのですけど、あなたならどう思いますか。

でも、こういうことは皆さん日頃考えていることだとは思うのですけど、日本のこの業界では、楽に仕事をすることや収入を充実させるためにどうしたらということは積極的に話題にされることはほとんどありません。そのようなことは自分で勝手にどうにかしなさいということなのでしょうけど、職場に入ってから、これらについて同僚と話しあう機会はないのが普通です。

日本で、周りに楽に仕事したいなどと言ったら、苦労するのは当たり前で人並み以上に頑張ることが価値と思われている社会では何か後ろめたい気がします。収入をなんとかなどというと、周囲から白い目で見られるような、そのようなことを口にするのははしたないような、あえて興味ないふりを装わないといけない雰囲気がありますね。

でも、これらに関心を持たないようにしておくと、気づかない間に手を打つのが難しいまで問題が大きくなることもあるように思います。

また、仕事を楽にしようと思い、ある程度の収入を得るために何ができるのか真剣にそして意識して考えてゆかないと、二つの条件が自然にかなうことはないような気もします。これらは仕事のやり方や考え方に関わってくることです、ただ腕を磨く努力や、トリマーの仕事に長年たずさわるだけでは、自然に時がまたはだれかが解決してくれることでもないようにも思います。

テーマにはあまり関係ないかもしれませんが、先日テレビのシーンにこういうのがありました。スリラーものだったのですけど、おばさんが叫ぶシーンがあったのです。

大きな声で曰く、「私は床をゴシゴシやるためにこの世に生まれてきたんじゃない! 」 
ちょっと共感したくなりました。愚痴を言っているようで、よく考えてみたら意味の深いことを言っています。

でも、この仕事にこんな風に感じているトリマーの方はいないと思います。ただ上に上げた二つの条件が満たされないと、トリマーだけでなくどんな仕事でも、このおばさんのような気持ちになりやすいのではという気がするのです。

私はこういう気持ちになったことは今のところありません。犬は大好きですし、この仕事も気に入っているし、この仕事をやれて良かったと思っています。

しかし四六時中犬のことを考えていることはありません。犬と接していることが三度のごはんよりも好き、などという犬を熱愛する愛犬家でもありません。

わんちゃんの仕事は好きで大切ですけど、仕事以外の生活も同じくらい大切と思っている犬好きです。

仕事のやりがいにも言えると思うのですけど、物事なんでも程度とかバランスが必要な気がします。
わんちゃんの顔を見るのももういや、これ以上やるのはうんざりという状態になりたくないですから、この仕事を続けてゆく上で「トリマーの仕事以外の生活」もとても大切と私は思ってます。

ですから、これからもこの仕事に「やりがい」を持ち続けるためには、無理をしないで働いて、できればそこそこにこの仕事をうまくやってゆくことをめざしたいです。こうなれたら本当にトリマーの仕事は楽しいものになりますね。

そしてそのためには上にあげた、この仕事をうまくやれる二つの条件であり、そして「トリマー以外の生活」にも大切になってくる二つのことは、中年になっても、おばあさんになっても、この仕事を続けるかぎり私は気にかけていたいことです。

トリマーになっただけでは、やりがいや生き甲斐を感じるには不十分だとしたら、あなたなら何を大切にしたいですか。