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今なぜ自営なのか - ペットサロン開業・私の場合

 遠い昔の話になりますけど、ペットショップに就職したことが私にもあります。

どこかにも書きましたけど、私はトリミングの仕事の前はデパートの販売員や美容室の受付など接客の仕事をしていました。そうした仕事経験があるばかりに、一日中犬のカットができるのではと期待して入ったペットショップで、期待した仕事が十分できなかったのです。与えられた仕事は犬の送迎係です。

そして私の働いたショップは勤務時間が朝の八時から夜の八時まで。拘束される時間が長かったのです。当時は毎日仕事をして下宿に帰って、御飯を食べて寝るだけの生活でした。そして休みが週一日ありましたけど、風邪など引いて休むと、次の週は休みなし、休んだ分は次の週に働かされるのです。風邪もひくのも安心して引いていられないそういう労働環境でした。

今こんな職場なら若い方は三日と持ちませんから、こういう職場は少ないと思います。もっとお金がもらえたらとは思いませんでしたけど、もっと自由になりたい、自分の時間がほしいと切実に切実に思ったものです。ゆっくりできる自分の時間などどこにもないのですから、ただ仕事するために生きている、そんな生活でした。

こう書くと悲惨なトリマー生活みたいな苦労話に聞こえるかもですけど、私だけではありませんでしたし、そんな風には当時思っていませんでした。楽しいこともあったのです。皆さんでお好み焼きを食べにいったり、仲間といっしょに飲みに行ったり、それから犬の送迎も私にとってなかなかの体験だったのです。

話を興味深くするために書くのではありませんが、「家政婦は見た」というドラマありますけど、主演の市原さんよりも楽しい体験ができたのです。顧客の中にはすごい邸宅がけっこうありましたし、門の前に守衛さんが立っている政治家の家もありましたし、名前を聞いたら皆ほっと驚く女優さんのわんちゃんの送迎もしていました。そんな資産家やセレブだけではなく、ある時は四畳半一間のアパートにゴールデンレトリーバーといっしょに住むおじちゃんや普通の家庭など、まぁいろいろな人とお話できて、退屈な仕事ではまったくありませんでした。

勤めていて楽しいこともつらいこともだれしもあると思うのですけど、体は嘘をつけないのです。このような生活をして体調を崩し、医者に絶対安静が必要と言い渡されてしまいました。健康管理をおろそかにした自分がいけなかったのです。そして、勤めを辞めざるをえなくなったのです。

それから、話が長くなるので詳細は省きますが、静養している時に、新たに獣医院を始める獣医さんから、小さなスペースがあって貸してあげるからトリミングサービスをやってみないかという話が舞い込んだのです。

ペットサロンを持つことにあこがれはありましたけど、自分でビジネスを始めてみようとまだ真剣に考えていない時に、そうできるチャンスが現れたのです。前の職場のようなことにはならないだろう、自分でやるなら少しはマイペースでできるのでは、とはその時に思ったことです。それで二つ返事で引き受けました。

自分でペットサロンを始めて、変なお客が来たらどうしようかとか犬を傷つけてしまったらどうしようかとか心配はたくさんありました。でも、他に進む道がなかったので新しいことを始める恐れとか、失敗したらどうしようとか考える余裕があの時はなかったように思います。とにかくこれが私のペットサロン自営の始まりでした。

調子のいい話で、私のこの話から皆さんに役立つ教訓を引き出すのは難しいです。でも今私が言えることは:

現在勤めに出ている方は生き甲斐などよりは、もっと現実的な悩みを抱えている方が多いと思います。上に述べたような個人的な時間が十分持てない生活が続く。家庭と仕事の両立が難しい。しばらく昇給がなくて生活が厳しい。ショップが忙しい時だけお呼びがかかる,十分な仕事が与えられない。上司が見習いの地位から上にあげてくれない、ちゃんとした仕事がいつまでも任されない、一人前になるのにまだまだ時間がかかりそう。勤務時間が長く体がきつい。

こういう悩みを持つ方に何を言ってあげたらいいのか正直私には分かりません。でも現在の状態に不満を持つことはとてもいいこことです。それが全ての始まりですから。

ただ、困った困ったと言っているだけでは、いつまでも困った状態から抜け出られません。
今ある問題についてばかり考えていると、惨めな気持ちになるし、なんとかしようという気持ちも元気もなくなってしまいます。

 仕事があるだけでもありがたいことですし、今までトリマーとしてやってこれた自分に少しはねぎらいの言葉をかけてあげていいことです。完璧とは言えない職場でも新たに学んで、前よりも進歩したことも、少し賢くなったことも、ある面についてはうまくいったことも、うれしかったことも、だれしもあると思います。

悪いことばかりでなく、今まで良かったことも、よく考えてみればあるはずです。ですから、これから向かって行く先についてきっともっとよくなる、そのために今何かできることはないものか意識して考えてみてはどうでしょうか。「今が事態をいい方向に変えてゆく機会、もう少し楽しい仕事にするために何か新しいことを試してみるチャンス」と思ってみることです。

頭の痛い問題が続くとなんで私だけこんな目に・・と思いたくなるのですけど、問題というのは、あなたを苦しめるためにあるのではなくて、強い期待感もってもらうためにある気がします。どんな「むずかしい問題」でも算数の問題を解くように、どこかに最初から答えが用意されていて、それを頑張って見つけなさいと言われている気がしませんか。

ですからまずやるべきことは、悩みを解決できる「答え」は、どこかにあることを信じて、これから向かってゆく方向をはっきり意識することです。

今ある壁を乗り越えたら前より強い人間になれるし、だいいち子供に自慢話ができる。現状に不満があることはただ嫌うべきことではないです。今ある問題の中に転機につながるものが隠れているのかもしれません。

もちろん独立自営に興味のある方は、自営ができて順調にゆけば、上記の悩みの多くは解決できることが分かると思います。それどころか、それ以上のことが開けてくる可能性だって十分あります。自営でうまくやれて少し夢に近づけた状態をいいなぁと想像してみて、ぜひそうなりたいと思えるようになれたら・・・しめたものです。

そしたら、もうやるべきことは分かると思います。

自営について必要な知識、自分で始められる条件は何なのか、お客はどう集めるかとか、自営するにあたって、今は知識がなくても知らなければならないことに関心を持つようになるし、それらについて調べてみようという意欲が湧いてきます。技術に関しても同じです。仕事でまだ経験のないことにでも前よりも関心を持つようになるし・・・

自営を目標とした時からこの仕事に対する意識も関心も、生活 --- 時間の過ごし方も
お金の使い方さえも今までとは違ってきます。

ですから、自営に関係することやその準備となること、例えば自営するならあなたならどうするか10分間考えてみるでもいい、ビジネスを始めるにあたって必要になることをリストするでもいい、トリミングでなくても他の仕事での開業・ビジネスの始め方や自営に関しての本を読むでもいいし、実際にビジネスを持ってやっている人の話を聞いてみるでもいい。すぐあなたにできる小さいステップからとにかく始めてみたらいいのです。

そうして今できる小さなことをやっているうちに、開業できるチャンスは向こうから近づいてきます。本当にこの仕事で自営を始めること考えているなら、これは信じていいことではないでしょうか。

私東京に住んでいた頃はあるサークルに属していまして、同じ会の仲間に美容院を持つ方やレストランのオーナーだったり、お菓子屋さんを経営していたり、自営業の方がいたのです。こういう方は考え方が前向きで明るい方が多いのです。この人たちにビジネスを始めることを考えなさいと幾度か言われたことがあるです。そう言われても始められる条件がありませんし、そうできるのはずっと先のことと思っていました。ですから真剣に考えませんでしたけど、自分の店を持つというのは素敵だなぁと思っていましたし、憧れていました。

自営するにあたって、恐れとか失敗する不安などがあまり大きくなかったのはこの人たちのおかげです。

それから、面識のない獣医さんからスペースを貸してくれる話があったのも、不思議と言えば不思議な縁ですけど、これは私の友人のネットワークを通じてきた話です。私の知り合いの知り合いがその獣医さんで、たまたまそういうことを考えていた方がいたのです。それから自分のペットサロンを始める時に、ある程度のお客様が来てくれたのも、私の友人知人が手伝ってくれたからです。
 
ですから、私の場合、何もないところからペットサロン開業できるいいお話が降ってきたり、お客様になってくれる人たちが突然現れたわけではありません。

今あなたに自営できる条件がそろってなくて、今すぐには始められなくても、それを実現するチャンスはいつ、どこから現れるか分からないのです。自営することにとても興味があるなら、それがいつ現れてもいいように心の準備はしておくにこしたことはないと思います。

 

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