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犬に負担をかけない技術

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今回日本のサロンを実際に見て、日本のお客様がトリミング/ペット・グルーミングに望むことは、北アメリカの人やヨーロッパの人とも〈私のお客様にはイギリス人、オランダ人、ドイツ人、イタリア人なども多い)それほど違いがないということが分かりました。

  どこの国の愛犬家でもほとんどの飼い主は家庭で手入れが簡単にできて、かわいらしいこと。芸術的な美しさや人目を引くものよりも、家族の一員としていっしょに生活するのにふさわしい清潔さや普段着の美しさ、そうしたスタイリングをペットに求めているようです。

  そしてわが子である愛犬に苦痛を与えないでトリミング/グルーミングしてほしいこと、毎月の出費なのでグルーミング料金は経済的にすませたい、こうしたことは共通のようです。 

 日本のサロンで見たのですが、シーツーとかマルチーズなどにプードル・フィートをお客様が注文していました。こうした仕上げは愛犬マガジンなどでは見られるものではありませんが、飼い主にとっては、散歩の後に拭いてあげるのが楽なようにこうしたことを望むこと、どこの国の人でも考えることは同じだと思いました。たいへんかわいらしいと思いました。

 北アメリカのグルーミング技術はけっして手をはやく動かす技術でも習うのに何年もかかるといったものではありません。この仕事の基本的なやり方を知っていれば、あとは適切な道具の選択とその効果的な使い方、仕事の手順の工夫、それにちょっとした技術を知ることで、だれでも今までの仕事の質を落とさずに、これぐらいの仕事量は疲れないでできるようになれると思います。

 日本のトリマー/グルーマーと話して、一日三頭仕上げるだけで体がへとへとになって、仕事のあとは何もやる気になれないのです、という話しを幾人かに聞きました。

 またトリミング/グルーミングは3Kに属する仕事で、あまり世間に評価されることのない低賃金労働であるとか、若い一時期にしかできない体力のいる仕事で、中年や老年になってまでやれる仕事ではないと日本では考えられていると聞きました。しかし、こうした意見がどれほど間違った考えか、多くの北アメリカやヨーロッパのトリマー/ペット・グルーマーの方たちが証明してくれていると思います。

 北アメリカの技術が日本でも広まることがあるとしたら、この仕事をもっと楽なものにできること、週二日休んで一日8時間しか働かなくても、今まで以上の仕事をこなすことができ、なお一般的な事務職などよりも、わるくない収入を得られる可能性がこの仕事にはあるということなのです。

 この仕事はペットケアについての専門的な知識と熟練を要求される仕事ですし、訓練を受けた者しかできない専門職です。当然そうあるべきと私は考えています。

  日本でもより多くの仕事をこなし、当然より多くの給料を要求し、または作り出すことは十分実現できることですし、このペットトリミング/ペット・グルーミングという仕事がもっと魅力ある、やりがいのある仕事になるのではないかと思います。 

 カナダ人のグルーマーに日本の仕事のやり方を説明しました。

「日本では普通一日かけて三頭仕上げるのです」

「それでは昼ごろに仕事が終わってしまいますね。その後は何をしているのですか」

と不思議そうな顔をしていました。

「毛玉などでも時間をかけてほぐしたり、とてもていねいな仕事をしているのです」

「それは犬にとってありがた迷惑な事ですよ。必要のないことをしています。なるべく犬にはストレスを与えないで仕事したいわ。犬だってペット・ショップに五分といたくないでしょう。グルーミングをさっさと終わらせて、早く家に帰って飼い主とくつろぎたいと思ってます。犬にそんなストレスを与えるやり方はあまりいいやり方と言えないですね」

 と言うのが彼女たちの意見でした。 

北アメリカのトリミング/グルーミング技術はけっして利潤追求のためにつくられた技術ではなくて、犬やお客様である飼い主を思いやる気持ちがあってこうした技術や仕事の仕方が工夫されてきたのだと思います。そしてこれは日本で仕事されているプロのトリマーのみなさんにも役立ってくれる技術ではないかと思います。

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